僕の写真をガラリと変えた1冊の本。「デジカメに1000万画素はいらない」

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読んだだけで写真が上手になる「ガバサク理論」とは!?

実践方法と作例をたくさん載せました!

 

 

 

「ガバサク理論」であなたの写真は変わる

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

 

デジカメの黄金期だった2008年に書かれた、言わずと知れた名著です。

思わず目を引くタイトルですが、僕はこの本の魅力は前半の画素数についての話ではなく、後半部分の「ガバサク理論」にあると思います。

細かい撮影テクニックの全てを紹介したいところですが、全て紹介してしまうと著者のたくきよしみつさんが困ってしまいます。

そこで、本人も多方面で提唱している「ガバサク理論」の基本テクニックに絞って作例とともに紹介したいと思います。

 

ガバっと撮る

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ガバッと撮るというのは大胆に撮るということです。

たくきよしみつさんは被写体に近づく(寄る)ことを進めていますが、近づくことが癖になっている人はガバッと引いて撮ってみるといつもと違う写真が撮れるかもしれません。

上の歯車は普通に近づいて撮ったものです。

このうち一つに絞ってガバって近づくと、 

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こんな面白い写真が撮れます。

 

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なんてことのない桜とチューリップの写真。

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ぐぐぐっと近づいて撮ったらチューリップがお花見しているような写真になりました。

 

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続いては広角レンズらしい特徴が現れた例。

普通の距離感で撮ると普通の写真です。

でも小走りで近寄って撮ると...

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木の妖精が目の前に迫ってくるような面白い写真が撮れました。

同じ被写体、同じレンズとは思えない変わりようです。

 

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最後はカメラを頭より高く掲げてノーファインダーでガバッと撮った写真。

ごちゃごちゃした風景を広角レンズで高い位置から撮ってみるのも楽しいですよ。



サクッと直す

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失敗写真やイマイチぱっとしない写真、削除してませんか?

ショートカットキーが豊富なLightroomなどの編集ソフトを使えばサクッと直せちゃいますよ。

さらに、カメラの保存形式をRAWにしておくとホワイトバランスの変更や露出補正でも画像の劣化が少なくオススメです。

上の花火の写真は0.5秒の長秒シャッターの間にわざと手ブレさせて撮ったものです。

面白いんですが、構図やコントラストがイマイチだと思います。

この写真はこんな風に編集してみました! 

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主にやったことは3つ。

縦にトリミングして画面いっぱいに花火を配置。

ホワイトバランスで寒色系の色味に変更。

シャドーを下げて夜空をより黒く。

これでメリハリのある写真になりました!

友達の一人がiPhoneの壁紙にしてくれたそうです。

 

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続いて川崎の工場夜景。

帰って写真を確認すると自分のイメージしてた工場夜景ではありませんでした。

そこでサクッと編集!

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ホワイトバランスを下げ、さらに緑被りを加えることでよく見るような宇宙っぽい写真になりました。

トリミングやスポット修正も少しだけやりました。

 

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これは去年の総持寺の紅葉。

135mmの望遠レンズで撮りました。

こちらもRAWで撮ってほとんど編集せずに出したものなので彩度やコントラストが薄く、言わば調理前の食材。

しかし、これは良い素材だと見抜き、サクっと編集。

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明るさと彩度を上げたところ、とってもカラフルな写真になりました。

もう一度この場所で納得行くまでじっくり撮りたいものです。

 

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最後はフィリピン旅行の記事のサムネイル画像に使った写真。

元々はこんなパッとしない写真でした。

なんだかすっぴんを見られているような恥ずかしい気分です。

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フィルムシミュレーションでVelviaを選択し、周辺減光を加えるとこの通り、欧米っぽいビビッドな色合いになりました。

編集を難しいと思っている人や抵抗感のある人でも、簡単な編集を一度やってみると写真がより楽しくなると思います。

  

最後に...高画素のカラクリ

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高画素=高画質ではないということはいろんなところで散々書かれているので、このブログでは詳しくは書きません。 

でも、フルサイズの画質が良い理由や画素ピッチの説明がピンとこない人のために理解の手助けとなるような例え話を1つ書いておきます。

 

イメージセンサーの大きさを土地の広さ、

素数を家の軒数、

光を人口に例えます。

 

土地の広さはカメラによって変わります。

キャノン、ニコンソニーの高級機(フルサイズ)の持つ土地の広さを100とすると、

オリンパスパナソニックのミラーレス(マイクロフォーサーズ)の持つ土地の広さは25、

iPhoneの持つ土地の広さは1.6となるのです。

 

家の軒数もカメラによって異なります。

フルサイズは1200万〜5000万軒、

マイクロフォーサーズは800万〜2000万軒、

iPhoneは800万軒です。

これと同時に、最新スマホやPCで表示できるのは400万画素程度で、4Kテレビでも800万画素しか表示できないということも覚えておいて損はないと思います。

 

さて、家の軒数と土地の広さがわかったので、1軒あたりの広さを計算してみようと思います。

フルサイズの家の広さを、24〜100とすると、

マイクロフォーサーズの家の広さは15〜38、

iPhoneの家の広さは2.4となりました。

 

最後の人口は残念なことにカメラが変わっても同じです。

つまり、家の広いフルサイズにも、狭いiPhoneにも同じだけの人数が住んでいます。

フルサイズの住人は広い家でゆとりを持って暮らしている一方、iPhoneカメラの住人は狭い家にぎゅうぎゅうになって暮らしているのです。

メーカーはこのことを認識しながら仕方なく狭い家を広く見せる技術を磨いています。

 

とまあ、わかりやすいんだか、かえってわかりにくいような説明をしていますが、もっと簡単に言うとこういうことです。

カメラが高画素になったことで、うっす〜い味の味噌汁をたくさん飲まされているということ!

 

まとめ

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たくきよしみつさんの「デジカメに1000万画素はいらない」の「ガバサク理論」を実践するとどんな写真が撮れるかを紹介しました!

簡単に言うと、いろんな角度や距離からガバガバ撮って、サクサク編集して写真を楽しもう!ということです。

なぜ「デジカメに1000万画素はいらない」のかは語り尽くされているので詳しくは書きませんでしたが、その理由や細かい撮影テクニックを知りたい人は下のリンクを押してみてください。

2017年11月17日現在、300円でお釣りがくる価格になってます。驚き。

一人でも多くの人に読んでもらいたいと思ってます!

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

デジカメに1000万画素はいらない (講談社現代新書)

 

 

「ガバサク理論」を応用した撮影テクも発明したので下の記事もどうぞ!

phobby.hatenablog.com