「写ルンです」からのステップアップ!KONICA C35 E&Lで銀塩を味わう

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僕をカメラの世界に誘った10年来の親友が「一緒にフィルムカメラやろうよ!(白目)」と言ったので「イエス」と答えました。

気がついたらコニタンが手元に...

30年以上の時を経たレビューです。

 

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コニカ C35とは?

日本で初めてカメラを発売したメーカー、コニカのC35 E&Lです。

ジャンク品だったのでメルカリで1000円でした。

一般的な35mmフィルムカメラです。レンジファインダーのような見た目をしていますが距離計は付いておらず、1m、1.5m、3m、∞で大体のピントを合わせるゾーンフォーカス。

裏技として、1.5mと3mのちょうど中間では2m、3mと∞の間では5mくらいになります。

スナップでは5mくらいにしておくと遠景は大体ピントが来ます。

レンズは38mm F2.8のヘキサノンでその描写は折り紙付き。シャープだけど繊細な画を描くと言われています。

電池を入れると露出計が動き出します。露出に合わせて絞り値とシャッタースピードは決まっており、明るいときはF14 SS1/500、暗いときはF2.8 SS1/30となります。マニュアル操作はできません。

今で言うプログラムオートみたいなものですね。明るいときは絞り込んでくれて、シャッタースピードにも余裕があるので上手く撮れますが、暗くなるとピントがシビアになり、シャッタースピードも遅くなるのでめっぽう弱くなります。

台数としてはC35 Flashmaticが一番多い印象ですが、修理がしやすいだろうということでこれに決めました。

 

ジャンクのC35 E&Lの状態は?

届いてみると、外観は緑青が少し目立つ程度。フィルター枠も少し傾いていました。

レンズとファインダーは少し曇っている状態。

モルトは当然のごとくボロボロ。

そして、致命的だったのはシャッターが動くものの閉まり切らない。

徹底的なリペアが必要だとわかりました。

 

リペアした箇所

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リペアしたのは以下の項目です。

・緑青の除去(レモン食塩水使用)

モルト貼り替え(書道用下敷きを両面テープで貼り付け)

 

 分解後

・レンズ表面の清掃(メタノール使用)

・ファインダー清掃(アセトン、エタノール使用)

・シャッター羽根への注油(自転車用潤滑油)

・最後に、アバウトな無限遠調整

 

モルト貼り替えは、C35用のものがネットで700円+送料で買えますが、ダイエーの文具コーナーで200円ほどで購入。他のフィルムカメラのリペアにも使えます。Amazonにもあるみたいです。Primeなのが嬉しい。

呉竹 下敷 書道用 規格判 No3 KA25-151

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分解には精密ドライバーとカニ目レンチが必須です。カニ目レンチは少し高いのでいろんなもので代用している人が多いですが、買っちゃった方が汎用性が高いのでオススメです。 

調べたら中国メーカーの安いものが出回ってました。もちろんPrime。

 

レンズとファインダーは気分でエタノールメタノールを使い分けました。ファインダーはカビはなかったのでかなり綺麗になりましたが、レンズはちょっとカビっぽいものもあり、前玉は汚れ?が定着してしまったみたいであまり綺麗になりませんでした。 

洗剤も試すべきだったかもしれません。ちゃんと清掃したい人はレンズクリーニング剤ってのもあるみたいです。 

 

シャッター羽根はベンジンという薬品につけ置きしたあと、ピンポイントに注油するのがセオリーみたいです。僕は持ち合わせておらず、半ば諦め気味で自転車用の潤滑油を可動部と思われるところに注油しました。何度かシャッターを切って正常に動いたときは感動モノでした。

でもやはり、下手に注油するとねばつくのでベンジンを使うのがオススメです。

 実はそんなに高くない。

大洋製薬 A ベンジン 500ml

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最後の無限遠調整はかなりざっくりです。ピントリングとカメラ側の取付部との隙間を0.7 mmに合わせた。これだけです。

昔の2ちゃんに、C35初代とFlashmaticは1.0mm、E&Lは0.7mmと書かれてあったのを鵜呑みにしました。さて肝心の写りは...

 

リペアしたC35 E&Lの作例

細かい写真の説明は割愛し、富士フイルムC200を入れて、よく撮れた15枚をどどーんと載せます。

 

 

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総じて「懐かしい写り」になるかと思います。40年以上前のカメラをリペアして、ここまで写っていたら満々満足です。

ですが、もうちょっと特徴を分解して考えたいと思います。

・発色は濃厚というよりもあっさりめ

・ピント部分は思っていたよりシャープだが少しぼやっとしてる

・明るい部分に光が回る。ハロっぽい

 

一見デジタルかと思うくらいよく撮れた写真に共通していたのは以下のものでした。

・ジャスピンまたは遠景だが被写界深度にちゃんと入っている

・太陽の位置は順光

・F8以上の十分な明るさ

 

簡単に言うと、ピントがあってて強い光源がなくて明るい場所であれば綺麗に撮れるということです。

ネットでの評判だともうちょっとキリッと写りそうだったので恐らくレンズの状態が悪いのでしょう。

 

まとめ

コニカC35は中古市場で台数が豊富で修理も簡単な入門機と言われています。

仮に修理を断念したとしても、可愛らしいデザインなのでアンティーク雑貨として飾っても全然OKです。

あなたもフィルム始めてみませんか?