世界の全てが被写体になる。タムロン90mmマクロレビュー

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伝説のマクロと呼ばれるタムロンの90mmマクロを紹介。定価3万円以下の272Eによる作例40枚も大放出します!

 

 

タムロン90mmマクロの3つのすごいところ

タムロンといえば高倍率のタムロン、そしてマクロのタムロンです。(マクロンです

そんなタムロンマクロレンズの特徴はこの3つ!

 

①柔らかい描写

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柔らかい描写が90mmマクロの売りです。

ピント面が硬すぎず、前ボケ後ボケも綺麗です。

それまでのマクロレンズは本の複写や貴重な資料の保存に使われており、細部まで克明に写すのがよいとされてきました。

一方、タムロンは娯楽としての写真に目を付け、柔らかい描写で小物や人物、風景を綺麗に撮れるマクロレンズを開発しました。

作例を検索しても分かる通り、マクロレンズの枠を超えて、このレンズがたくさんの被写体に向けられていることがわかります。

 

②扱いやすい焦点距離

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#コミケC90 #楠木なくる

 

ポートレートには85mmと言われますが、それに近い90mmはとても扱いやすいです。

人を撮るにもちょうどよい距離感で、小物や花を撮るときも適度に距離が離れているので影ができにくく、撮影位置による構図の整理もできます。

85mmの単焦点を使っていると「もう少し寄りたい」となるところをさらに50cmくらい寄れるので、スナップは意外とこのレンズ一本でなんとかなったりします。

 

③安いは正義

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大金を出せばいいレンズが買えるのは当たり前です。

ところがタムロンは安くてもいいレンズを作っていますし、高いグレードになれば他のメーカーと同じ価格帯で手ぶれ補正が付いているので一歩リードしています。

 

こはちょっと残念!

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いくつかデメリットも書いておきます。

 

・85mmの単焦点と差別化しづらい

ポートレート用として85mmを持っている人にとって、90mmや100mmを追加するのは抵抗があると思います。

焦点距離が近いことはあまり気にせず、「中望遠マクロでしか撮れないものがあるんだ」と自分を納得させることが必要かなと思います。

 

オートフォーカスが遅い

マクロレンズ無限遠から近距離まで広い範囲でピントを合わせることができるように作られているため、どうしてもオートフォーカスが遅くなってしまいます。

速さを重視して近距離のピント精度が悪くなっては元も子もないので割り切るしかないですね。

 

F値があまり明るくはない

誰もが、「もう少し明るくなればいいのに」と思うレンズですよね。

F2にくらいになれば最高です。

実はカール・ツァイスから100mm F2のスペックでMakro Plannarというマニュアルフォーカス専用レンズがあるのですが、ハーフマクロなので接写は少し弱いです。

やはり、等倍でF2、オートフォーカスできて重すぎないというレンズは技術的に無理なようです。

タムロン90mmマクロ(272E)とCANON EOS5Dで撮った作例

今回の作例を撮ったのは90mmマクロで初のデジタル化を果たしたTAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1(Model 272E)です。

TAMRON 単焦点マクロレンズ SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1 キヤノン用 フルサイズ対応 272EE

TAMRON 単焦点マクロレンズ SP AF90mm F2.8 Di MACRO 1:1 キヤノン用 フルサイズ対応 272EE

 

2008年発売ですが、未だに生産を続けていて10年以上のロングセラーレンズです。

新品でも3万円を切る価格なので不安に思うかもしれませんが、描写は後継機にも負けてませんよ!

 

本業の接写は文句なしの写り

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僕がいつも付けているSEIKOの機械式腕時計です。

素材の質感まで伝わってくるような画です。

同時に柔らかいボケが同居しているのが素晴らしいと思います。

 

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ゆっくりと距離を詰めていけば虫も撮ることができます。

ブレには要注意ですよ。

 

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小物を撮るときにもちょうどよい距離感で撮ることができます。

できあがった写真は適度な遠近感があり余計な誇張はありません。

 

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帰り道で偶然セミの羽化に遭遇。

合成写真のような非現実的な1枚になりました。

ただの街灯の光も距離があるとこんな大きな玉ボケに。

 

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大学の研究室で先輩が研究に使っていたロボットです。

しっかり三脚で構図を整え、画面左側からストロボで照らしています。

光にこだわると無限の可能性を感じます。

 

ポートレート用レンズとしても優秀

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あれだけ綺麗な接写ができるのにポートレートもこなせるなんて大したもんです。

柔らかい描写と絶妙な焦点距離のおかげでポートレートマクロの異名を持ち、ポートレートレンズとして使う人がかなり多いようです。

 

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砂粒までしっかりと描き出しています。

 

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ノイズが多いのはカメラが古いからです。

玉ボケが重なっても不自然さが全くなくて夜景にも使えそうです。

 

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光の状況次第ではキリッとした写真になります。

 

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ヤギもこの通り可愛く写ります。

タムキューの懐、深すぎです。

 

中距離〜遠距離でも高い描写力

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他のレンズと同様に少し離れた景色もしっかりと描き出します。

この作例では雲と海の細かなディテールが確認できます。ドラマチックです。

 

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かなり距離があって空も霞んでいましたが期待以上に写っていました。

90mmで風景を撮るのも全然アリです。

 

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絞り込んで画面全体にピントを合わせました。

錆びた金属の質感が手に取るようにわかります。

 

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ゴミゴミしたシチュエーションでも素直な写りです。

 

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アイディア次第でこんな使い方も!

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花火大会であえて0.5秒くらいのシャッタースピードにして、露光中にカメラを振っています。

もちろんこのレンズでなくてもできますが、明るいレンズは少しだけ有利です。

 

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被写体を画面いっぱいに写すと色を全面に押し出した写真が撮れます。

前後はとにかくボケやすいのでアートな写真になります。

 

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あえて硬めに撮ったもの。

F3.5ですが水しぶきを見てわかるように描写力はピークに近いです。

90mmは画面をどう整理していくかがカギです。

 

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ピントとボケのメリハリがすごいです。

 

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あえてF11~16くらいまで絞ると遠近感が消滅します。

ボケがなくなることで距離感が曖昧になるのでまるで絵のようになります。

こんな楽しみ方もできます。

 

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最後はちょっとした小ネタを。

雑誌なんかの気に入った写真をデジタル化したいときにもマクロレンズが使えます。

写真に対して正面で構え、光が均一に当たるように注意しながら撮ります。

 

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そしてトリミングすればこの通り。

もちろん完全再現とは行きませんがかなり忠実にデジタル化することができますよ。

 

まとめ

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タムロンの90mmマクロのすごいところと作例をご紹介しました!

マクロレンズは特殊レンズのような感じがしますが、意外と何でもこなせる万能レンズですよ。

 

今回紹介したTAMRON SP AF90mmF/2.8 Di MACRO1:1(Model 272E)で霜柱を撮ったときの記事はこちら!

 

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