テーブルフォトを撮る上で気をつけたいこと

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今日は意外と難しいテーブルフォトの撮り方です。

 

 

 
テーブルフォトっていうのはおいしいパンケーキ屋さんに行って、パシャリ、みたいなやつです。
iPhoneなんかだと完全オートなのでクリエイティブな写真は撮れず、誰が撮っても出来栄えはあまり変わりません。しかし、これが高級コンデジ、ミラーレス、一眼になってくると話は別で、撮り方次第でおいしくもまずくも見えてきます。
まず、テーブルフォトを撮る上で大事になってくるのが次の項目です。

 

 

一つずつ順番に見ていきましょう。

1.最短撮影距離

これはテーブルフォトで最も重要な要素です。
席を立たずに撮影するなら、40cm以下じゃないとかなり撮りづらくなると思います。
35mm換算で24-105mmくらいの焦点距離で撮るなら最短30cm前後じゃないと厳しいです。
画角との兼ね合いもありますが、寄れるレンズを用意しましょう。


2.画角

料理や小物をどう写すかということに関わってきます。
例えばテーブルの料理すべてを画面に収めるなら28mmくらいのレンズが適切だと思いますが、背景をうまく整理してピンポイントで狙うなら90mmくらいの中望遠がベストです。
また、広角だと歪みが大きいがたくさん写せる、望遠だと歪みがないが立体感が薄れるなど、それぞれの画角で特殊な効果が生まれるので用途で使い分けましょう。 


3.カメラアングル

料理を真上から撮るか、斜め45度から撮るか、真横から撮るかということです。一般的に斜めから撮ることが多くなりますが、カメラが水平に近づくほどテーブル外の物まで写り込みやすくなるので注意しましょう。
もう一つ、おろそかにしがちなのがカメラアングルとピント面の関係です。シフトレンズで無い限り、ピント面はカメラの光軸に対して垂直です。これは何を意味するかというと、真上から撮ると全体にピントが合いやすいですが、水平に近いと、パフェのさくらんぼだけくっきり写るなんてこともありえます。したがって、何を主役にするか考えてF値とカメラアングルを考えましょう。


4.F値

これまでの要素に気をつけたら最後はF値です。テーブルフォトは接写に近くなるので、被写界深度はかなり浅くなってきます。前後1cmを下回る場合も多いと思います。それなのにボケを綺麗にしたいからと言って開放で撮るとボッケボケのテーブルフォトになってしまいます。こうなるとあんまりおいしそうに見えません。安心して下さい、マクロ領域では絞りを開かなくても綺麗にボケます。普段より気持ち多く絞って主役を確実に被写界深度内に入れてあげましょう。

 

作例

さて、これらのことを頭に入れて僕の作例を見て下さい。RX100にクローズアップレンズを付けて撮っているので収差は多めですが、センサーサイズが小さいのでバカボケにならず、ちょうどいい塩梅になってると思います。

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最初はそこまで寄らずに撮れるグラスです。グラスは真横より少し角度を付けて撮るとスタイルよく見えます。ぼかしすぎるとガラスの質感が表現できないので、背景のボケを犠牲にしてでも確実にピント内でとらえてシャープに写したい被写体です。

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続いては鶏の煮込み。これはもう少しぼかしても良かったかもしれません。一番目に留まるネギを主役にしています。

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次は鶏皮です。今回はこれが最も難しかったです。僕の理想は2本ならんだ鶏皮の1本だけを浮き上がらせることだったのですが、上手く行きませんでした。こういった場合は焦点距離を長いものにして、遠くから撮るのがベストなのですが、テーブルフォトだとその撮り方は難しいです。この1枚はもっと絞って2本ともピントに入れた方がよかったかもしれません。

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その次は焼き鳥丼です。これは比較的上手くいった1枚でして、美味しそうに見える部分をしっかりとシャープに写しています。

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最後に餃子です。これは少し暗めかつコントラストも低いのですが、ボケは自分のイメージ通りになりました。手前の1個を強調して、奥の餃子にいくにつれてだんだんとボケていくようにしました。せっかくいい1枚だったので、少し加工して文字も入れてみました。

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明るくして、 色温度を若干暖色に、さらにコントラストを上げました。焼きたてのおいしい匂いが伝わってくるようです。

 

まとめ

以上、僕のまだまだ拙いテーブルフォトでした。店内で一眼を出すのは仰々しくて気が引けますが、コンデジにクローズアップレンズを付けての撮影は気軽にできるので最高です。
テーブルフォトは料理を全て写さないほうがおいしく見えるなど、小手先のテクニックもありますが、まずは今日挙げたような基本的な設定を試行錯誤して腕を磨きましょう。