クローズアップレンズにより違った表情を見せるSONY DSC-RX100

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コンデジにクローズアップレンズを付けてみると新しい写真が撮れますよ!

  

こんにちは、ちびたです。
僕はこの記事をかける日を楽しみにしていました。ついに今回はクローズアップレンズを付けたSONY RX100の実写レビューです。

 

 

RX100に無理やりクローズアップレンズを付ける

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RX100は高級コンデジという位置づけではありますが、ところどころ抜けている部分があってそれがまた愛嬌なんでしょうか。RX100のレンズ先端にはフィルターが付けられるネジが切ってありません。フィルターといえばフィルム時代には大変活躍したもので、蛍光灯の緑被りを補正するフィルターなんかは室内撮影の必需品になっていたそうです。現代ではオートホワイトバランスが優秀になり、色被りも補正してくれるようになりましたが、フィルターの中にはレタッチなどでは得られない効果をもたらすものが多くあります。代表的なものがPLフィルターやNDフィルターです。前者は、ある振動方向の光をカットすることにより、被写体本来の色を写せるようになります。後者は、光量を全体的に低減することで、明るい屋外でもスローシャッターを切れるようになり、滝や雲の流れを表現することができます。
RX100は高級コンデジなので、カメラにうるさいおじさまたちが購入するケースも多くあります。しかし、表現の幅を広げられるフィルターが付けられない。それなら無理矢理付けてしまえと思う方が多いらしく、ネット上にもその方法を示したページが数多くあります。僕もフィルターを使いたくなったうちの1人でして、 いろんなブログを参考に挑戦してみました。

RX100にクローズアップを付けるべくDIY

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用意したのは、 ステップアップリング37-49mmとダイヤモンドヤスリです。52mmのフィルターを多く持っていれば37-52mmにしてもいいと思いますが、少し見た目は悪くなるかもしれません。37mm側のネジをヤスリで削り落とす、書いてみれば簡単ですが、これがなかなか時間がかかります。僕は結局あきらめて大学の機械加工工場で大きいヤスリでガッツリ削ったあと、写真にあるダイヤモンドヤスリで面を整えました。この方法でも2時間はかかったので、こういった環境にない方はドーナツ型のプラスチックかなんかをステップアップリングとレンズ先端に咬ませるのが現実的だと思います。そうして作ったリングに粘着力強めの両面テープを小さく切って8箇所に貼り、RX100のレンズの中心に合うように取り付けました。

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幸い、RX100はステップアップリングを取り付けてもレンズ収納時に干渉することはありません。Zeissの文字は見えなくなりますけどね。意外と普通に溶け込んでいてかっこいいです。ケラレも全くありません。粘着力が強いとはいえ両面テープで大丈夫か?と最初は思ったのですが、8箇所に貼ればステップアップリングをつまんで本体を持ち上げられるほどに固定されます。テープの中間層がスポンジでできているので押すと沈みますが、撮影やフィルターの取り付けに支障はありません。ずーっと付ける覚悟があるなら接着剤でビタっと付けてもいいと思います。そうするなら後戻りできないので中心合わせは厳密にしたいですね。

 

RX100にクローズアップを付けて撮った写真

それでは実写レビューに移ります。手持ちのフィルターは、クロスフィルター、C-PLフィルター、クローズアップレンズがあるのですが、今回は効果を得られるような被写体がなかったのでクローズアップレンズNo.3のみでの撮影です。

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望遠端(35mm換算で100mm) での撮影です。フォトヨドバシのRX100のレビューに触発されて暗いシーンでアンダー露出にして撮ってみました。パソコンやスマホの画面を明るくして見るとカールツァイスレンズの画を存分に味わえると思います。望遠端での接写なので被写体以外の余計なものを画面から排除でき、視線は自然と菜箸に誘導されます。次に目線が動くのはシンク。生活感あふれるシンクの様子を見事に描き出しています。手前から奥まで自然とボケているのが美しいですが、これでF5.6だから接写というのは不思議な世界です。同じ焦点距離、構図、撮影距離にして一眼で撮るともっとボケてしまってこうは写りません。同じような画を撮るなら絞り込む必要があり、ISOを上げたりSSを遅くしなければなりません。コンデジだと画質は妥協しなければいけませんが、被写界深度の深さを活かした手軽な接写というは唯一無二の芸当だと感じました。

さて恒例の最大撮影倍率のチェックです。今回はコンデジなので35mm換算するとトリミングしているという扱いになるので本来は2.7で割る必要があるのですが、一眼と見た目上同じ倍率で議論したいので35mmを写っている長さで割って、最大撮影倍率を計算しています。最初はクローズアップレンズなしで28mm、100mmの順です。

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ワイド端ではなかなか優秀で、0.47倍です。しかし、ワイドマクロは用途が限られてしまいます。ワンちゃんの鼻デカ写真には持って来いです。テレ端では15cm定規を超えてしまったので計算はやめました。20cmよりは長いと思うので0.17倍付近になりそうです。0.2倍を下回るレンズというと、そういえばポートレートレンズのEF85mmF1.8USMも寄れないレンズだったなと調べてみると0.13倍でした。ポートレート用の単焦点は明るさを重視しようと思っていたのですが、RX100のテレ端よりも寄れないとなると考えものですね。これは90mmF2.8マクロが現実味を帯びてきた…

話が脱線しました。次はクローズアップレンズNo.3を付けての撮影です。RX100はズームすると最短撮影距離が変わるカメラなので、近接撮影しかできなくなるクローズアップレンズを付けると焦点の合う範囲を見つけるのがちょっと大変でした。No.3ですので全てのズーム域で30cmくらいに縮まっています。それでは同じく28mm、100mmの順です。

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ワイド端では、0.49倍とほぼ変化無し。寄れることよりも画面端での歪みが目立ってしまっているのでこれを付けた時のワイドマクロは避けたほうが無難です。テレ端では接写性能がかなり向上して0.39倍です。歪みもあまり目立たないので十分実用的です。ちなみに28mmが大きく写せてて、ズームするとだんだん撮影倍率が下がっていきます。あるところで最小になり、少しずつ回復して100mmで再び大きく写せるようになります。

早速これを持って梅の花の撮影に行ってきました。まずは駐車場のすすき(?)と車をパシャリ。

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今回はカメラ側の設定のみでRAWでレタッチはしていません。手前にピントが合って、奥へとふわっとボケているのがわかります。僕はこれを撮った時自分が一眼で撮ってるのかと錯覚しました。それくらい美しいボケ味です。アンダー露出にすることで寒空の雰囲気が出て、ここでもカールツァイスらしい繊細な描写となりました。これで100mmF8ですから驚きです。

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次は桜の芽を撮ってみました。こちらはズームレンズらしく2線ボケのようになっていますが、ピントの合った芽の細かいディテールが確認できます。

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次はモノクロで撮ってみた1枚。モノクロにするとまた味わい深くなってきます。初代RX100でも十分な階調表現を持っていると思います。

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次は少し引きたかったので84mmで撮影。少し広角側にすることで被写体のみを確実にピントの範囲に納めています。クローズアップレンズを付けると撮影者が後ろに下がるとピントが合わなくなることもあるため、その場合は、ズームで調節します。 ボケにノイズが乗っていますが、コンデジで、しかもISOを高めにしているので仕方の無いことです。これだけ写せれば大健闘でしょう。

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同じ梅を100mmでクローズアップレンズなしで撮るとしたら、このような画になると思います。 寄れないので接写は諦めて、前ボケと後ボケを利用して立体感を演出します。視線がぐるぐる回って面白い1枚です。曇り空だったので木々の葉が黒、空が白、梅がピンクというモノクロ+αの色づかいになり大変印象的な1枚になりました。

 

まとめ

今回、RX100にクローズアップレンズNo.3を付けてスナップをしてみて、このカメラのポテンシャルの高さを知りました。特に84mmや100mmでの接写が楽しく、とても相性がよかったのでRX100の公式オプションにしてもらいたいと感じました。いきなりNo.5から入るとピントを合わせられる範囲が狭すぎて使いづらいですが、No.3はバランスがいいので最初の1枚にぴったりです。また良い写真が撮れたら載せていきたいと思います。

 






最後にサービスショットを1枚っ

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