EF 35-80mm F4-5.6を分解・清掃・レビュー

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フリマで買った200円のレンズを修理して撮影してみたお話。

 

 

 購入の経緯

価格.comの「フリマでクローズアップレンズを500円で買った」という書き込みに触発され、品川のフリマに行ってみました。カメラやレンズは売っていればラッキーくらいに考えていましたが、2店ほど見つけて、その中の1店ではEFレンズを二つ取り扱っていました。片方は確か35-70mmで、ズーム機構が壊れていた。もう一つのEF 35-80mm 4-5.6は白く曇って、AFに若干問題があるものの、動作品。なんと200円。外側からこするだけで直れば嬉しいけど、この値段だし壊れてもいいから分解清掃もありだなと思い購入しました。中古カメラ屋の52mmの無名キャップの方が270円で高かった…

レンズのスペック

どうも調べてみると1990年発売のフィルムカメラのキットレンズらしい。それにしても奇妙な焦点域だ。ざっくりとスペックを見てみましょう。

焦点距離:35-80
開放絞り:4-5.6
最小絞り:22-32
絞り羽根枚数:5枚
最短撮影距離:37cm(最大撮影倍率0.25倍)
駆動系:DC(?)モーター
フィルター径:52mm
全長:最短75mm、最長80mm程度
質量;100〜110g

焦点距離は奇妙な35-80ですが、APS-Cでは35mm換算で56-128mmとなり、ポートレートに最適な画角となりそうです。
F値はこのクラスでは妥当な明るさでしょうか。ズーム倍率が低いのに80mmで5.6は暗いと感じます。
絞り羽根は5枚の非円形絞り。このあたりから、いかにこのレンズがチープな作りかわかってきます。
最短撮影距離は37cmで意外にも寄れます。このレンズの特徴と言ってもいいでしょう。EF50mmF1.8STMが最大0.21なのでその1.2倍くらい寄れます。
モーターはDCモーターだと思います。ミニ四駆で見たことあるやつ。AFはギーコギーコうるさいです。これがジーコレンズなのかと実感しました。
全長はズームによって変わる方式です。最も長くなるのが80mmで、最も短くなるのが50mm前後です。50mm単焦点が安価に作れるのもこれが関係してる?
質量は測れていないのですが、 新撒き餌レンズより軽いので100から110gくらいだと思われます。プラスチックでできているので驚きの軽さです。

 

分解・清掃の内容

写真を交えたレビューの前に、今回行なった分解と清掃の内容を書きます。分解はプラスとマイナスの精密ドライバーを用意すれば簡単にできます。 後玉の裏側まで分解する際は焦点距離を伝えるピンに注意です!テープ上の配線がピンの下に来てしまうと常に焦点距離80mmと認識され、35mmでも開放絞りが5.6になってしまいます!取り付けのときには細長いものでテープ状の配線をピンの上にどけてあげましょう。詳しい分解方法は他のサイトに任せます。今回行なった調整は以下の2点です。
・レンズのゴミ・曇りとり
・ズーム、AF機構への潤滑油注入
ゴミ・曇りとりはブロワーとエタノールとメガネ拭きを用いました。まだ若干残っているので気が向いたら専用の道具を揃えて行ないたいです。RAW現像すれば実用上問題ない仕上がりにはなりました。
潤滑油注入はズームとAF時に引っかかりがあるので行ないました。ズームはスコスコと動くようになり、AFも正常動作するようになりました。

 

作例

では、写真付きレビューです。特に記載のないかぎり、RAWで階調や彩度を補正したあとの写真です。今回は50mm以外の新鮮な画角が楽しくて35mmと80mmでしか撮っていません。あしからず。
まずは、35mmの作例。

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F8



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F4

広角端では、歪曲収差がそれなりに出ます。Lightroomで補正するとしても+10程度なのでそこまで気にはならないでしょう。周辺減光はかなりあります。35mmでは1段絞った5.6でも周辺減光が確認できました。階調補正後は少し眠たい画ではあるものの、見れる写真です。しかし、何もせずに現像すると…

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この通り全体的に暗くなってしまいます。レンズのカビが原因です。JPEG撮って出し用途では全く使えません。 

次は80mm
 
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F8 
 

 
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F5.6 

 レトロなレンズと非常に相性の良い被写体が見つけられました。80mmでは開放もそこそこ使えます。2枚目のこども行灯は綺麗にボケていると思います。もしかすると他のレンズの80mmよりもよくボケるかもしれません。
続いてネイチャー系。

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F11 

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F5.6

1枚目のアシナガバチでは驚きの描写力を見せています。条件が揃えばこのようなシャープな画を吐き出します。2枚目は前ボケを狙ってみました。そもそもオレンジのコスモスのピントが外れている気もしますが、ふわっとゆるくボケているのがわかると思います。この写真ではボケに加えて、色のニジミが出ているような感じです。
最後にもう一例、苦手とするシーンを。

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F8

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カビがかなり発生しているので逆光や強い光源がある場面だとこのようにモヤッとしてしまいます。しかしながら、Lightroomで自動階調補正を行ない、明瞭度を少し上げてやればこのようにキリッと仕上げることが可能です。ありがとう、自動階調補正。
 

まとめ


それでは簡単にまとめます。

良い点
・ボケは多めでふわっとしている。ポートレートに使ってみたい
・周辺減光や描写の甘さがオールドレンズらしい味を出している
・条件が良いと素晴らしい描写力を見せる
・意外と寄れて楽しい
・お散歩レンズにはちょうど良い画角

悪い点 
JPEG撮って出しで使えない画質
・周辺減光や歪曲収差が多め
・強い光源に弱い
・細部の描写が甘く、コントラストも低い
・開放F値が暗いうえに絞らないと画質が落ちる
・中途半端な画角。もう少し広角か望遠どちらかに伸びているとよかった

 RAWの扱いに慣れてなかったら押し入れにそっとしまっていたかもしれません。晴れた日のスナップ撮影には軽いし、ちょうど良いと思います。安く見つけたら買ってみると面白いです。

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